R/URBAN DESIGN OFFICE LLC

R/URBAN DESIGN OFFICE 本社

R/URBAN DESIGN OFFICE Head office

R/URBAN DESIGN OFFICE 本社

2019 / Category: office

自社オフィスの内装プロジェクトである。旧街道である中山道と住宅地内の細路地。2つの対照的な道に二面接道する建物の1階が対象敷地である。元来、中山道に面した商業テナントスペースと路地に面した居住スペースに背割りで区画されていたものを、壁をぶち抜いて1区画に再編することで、風通しの良い空間にすることを考えた。

2つの道をつなぐ通り土間
まず、幅3.5mの道状の空間(通り土間)を2つの道をつなぐように通した。家具の置き方によってフレキシブルに変化する執務空間であり、将来的な人数の増減にも対応しやすい。残りの空間は、通り土間に直交する6枚の壁で分節し、ミーティングスペース・倉庫・トイレ・キッチン・事務スペース・玄関といった比較的明快な用途に割り当てた。これらの空間へはそれぞれ通り土間からアクセスする。

専有面積を削って地域に供出した軒下空間-実験的試みとして-
私たちの事務所はこれまで雑居ビルの4階に入居していたが、通勤に時間を浪費したあげく地面から離れたユニバーサルスペースで働くことに違和感を感じていた。そこで、徒歩や自転車で通えるエリアの路面テナントに事務所を移し、従業員もなるべく自転車圏内に住むことにしてみた。地域コミュニティは、金銭的価値では測れない「貸し借り」「しがらみ」のようなものの無数の交換の束だと思う。こういった地域の生態系の只中に飛び込み、地域環境と地続きの執務空間で設計することの価値、事務所がそこに在ること自体が地域に及ぼす価値の可能性を探ってみることには意味があるのではないか。今のところ、軒下はちょっとした雨宿りや休憩、立ち話に使われている。この場所をきっかけにどのような地域との関係が生まれていくのか、これからも観察していきたい。

感染症がもたらした気づき
コロナ禍によってテレワークの有効性が明らかになってきており、高密度な都心の密閉オフィスに満員電車で通勤するというスタイルは廃れていく可能性が高い。かといって単純に物理的なオフィス空間が無くなるということでは(特に設計事務所の様に物理的な創作を生業とする職種においては)ないだろう。そこで一つのあり方として、高密度に床が積層する都心を避け、環境の良い場所に職住近接することのリアリティが増しており、私たちのオフィスは図らずもそれを体現している。それに加え自然換気・通風に優れていることや、その時々に合った働き方にフレキシブルに対応可能なプラットフォームであることなど、コロナ以前にデザインされたものだが、期せずしてコロナ以後を見据えたオフィスの一つのモデルとなりうるのではないだろうか。

モードチェンジする空間
セットバックでつくった軒下空間に面して、事務所の入口となる大きな引違いの建具を設けた。ポリカーボネート小波板を貼った3連の框戸と、亜鉛メッキ鋼板を貼った大きな1枚引戸の構成である。事務所の活動は、設計業務が主ではあるが、施主やメーカーとの打ち合わせや内部の勉強会、時によっては対外的なイベント企画など多岐にわたる。このような多様で自由な使い方を支えるため、建具やカーテンによって細やかにモードチェンジ可能な設えとした。ポリカの框戸を全開放すれば通り土間が前面道路とひとつながりになるし、逆に大引戸を開くと、ミーティングスペースが街とつながる。内部/外部空間、あるいは室同士の多様なつながり方の可能性を埋め込んでおくことによって、実際の利便性はもちろんのこと、開かれた空間性をもつオフィス空間となったと思う。

→【YouTube】モードチェンジの様子を紹介した動画

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